不良空き家とは?判断基準や特定空き家との違い、解体費用の補助金を解説
「古くなった実家をそのままにしているけれど、不良空き家に該当する?」
「不良空き家と特定空き家は何が違うの?」
「老朽化した空き家を解体するときに補助金は使える?」
長期間使われていない空き家を所有している方の中には、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
空き家に関する言葉には、「不良空き家」「特定空き家」「管理不全空家」などがあり、それぞれ意味や判断基準が異なります。
特に富士宮市で老朽化した空き家の解体を考えている場合、「不良空家」に該当するかどうかによって、市の空家等除却工事費補助金を利用できる可能性があります。
この記事では、不良空き家とはどのような住宅なのか、判断基準や特定空き家との違い、富士宮市の補助制度まで分かりやすく解説します。
不良空き家とは?
不良空き家とは、老朽化や破損などによって住宅としての状態が著しく悪くなっている空き家を指します。
「不良住宅」という言葉は住宅地区改良法に基づくもので、国の制度では住宅の構造や設備などについて一定の基準で不良度を判定します。
単に、
- 築年数が古い
- 誰も住んでいない
- 外観が汚れている
といった理由だけで不良住宅になるわけではありません。
建物の基礎や柱、外壁、屋根などの状態を確認し、定められた基準に基づいて判断されます。
富士宮市の空家等除却工事費補助金では、「住宅の不良度の外観測定基準」の評点が100点以上で、周囲に悪影響を及ぼす空き家を「不良空家」としています。
そのため、「自宅が古いから不良空き家だろう」と所有者自身で判断するのではなく、補助制度の利用を考えている場合は市へ事前に確認することが大切です。
不良空き家はどのように判断される?
不良空き家に該当するかどうかは、建物の状態を一定の基準に沿って確認して判断されます。
確認されるポイントには、建物の構造や劣化・破損の程度などがあります。
たとえば、次のような状態です。
基礎や土台などが傷んでいる
住宅を支える基礎や土台は、建物の安全性に大きく関係します。
長期間の放置によって木材の腐朽や基礎部分の破損などが進んでいる場合、建物全体の安全性にも影響する可能性があります。
柱や梁などが劣化している
柱や梁などの主要な構造部分が腐っていたり、破損していたりすると、建物を安全に維持することが難しくなります。
特に雨漏りなどを長期間放置すると、見た目では分かりにくい場所まで腐食が進んでいることがあります。
外壁が大きく破損している
外壁の一部が剥がれている、下地が露出しているなど、外壁の劣化状態も確認されるポイントです。
外壁材の落下や飛散のおそれがある場合には、建物だけでなく周囲への影響にも注意しなければなりません。
屋根が著しく傷んでいる
屋根材が大きくずれていたり、屋根の一部が破損していたりする場合もあります。
屋根の破損を放置すると雨水が建物内部へ入り込み、柱や梁、床などの劣化をさらに進行させる原因になります。
このように、不良空き家かどうかは一部分だけを見るのではなく、建物全体の状態を基準に沿って確認することになります。
不良空き家と特定空き家の違い
特に混同されやすいのが、「不良空き家」と「特定空き家」です。
どちらも老朽化した空き家について使われることがありますが、同じ意味ではありません。
| 不良空き家 | 特定空き家 | |
| 主な考え方 | 住宅自体の不良・老朽化の程度を基準に判断 | 周辺への著しい悪影響などを踏まえて判断 |
| 主な根拠 | 住宅地区改良法など | 空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法) |
| 判断のポイント | 建物の構造や劣化・破損など | 倒壊等の危険、衛生、景観、生活環境への影響など |
| 行政措置 | 補助制度などの判定に使われる場合がある | 指導・勧告・命令・代執行などの対象となる場合がある |
不良空き家は、主に**「住宅そのものがどの程度傷んでいるか」**という視点から考えます。
一方、特定空き家は、建物の状態だけではなく、**「その空き家を放置することで周囲へどのような悪影響を与えているか」**という点も重要になります。
そのため、
「不良空き家になったら自動的に特定空き家になる」
「不良空き家と判定されたら行政から解体を命じられる」
というわけではありません。
ただし、老朽化した空き家をそのまま放置すれば状態がさらに悪化し、倒壊や建材の飛散などによって周辺へ影響を与える可能性があります。
結果として、管理不全空家や特定空家等として行政による対応の対象になることも考えられます。
特定空き家について詳しく知りたい方は、関連記事「特定空き家とは?指定される条件やリスク、解体を検討するタイミングを解説」もあわせてご覧ください。
不良空き家を放置するとどうなる?
「誰も住んでいないから、そのままでも問題ない」と考えてしまうこともありますが、人が住まなくなった住宅は適切に管理しなければ劣化が進んでいきます。
倒壊や建材の飛散などの危険性が高まる
老朽化した住宅では、屋根や外壁、柱などの劣化が進んでいることがあります。
普段は問題がないように見えても、台風や強風、地震などをきっかけに屋根材や外壁が落下・飛散する可能性があります。
さらに劣化が進めば、建物そのものが倒壊する危険性も高まります。
近隣トラブルにつながる可能性がある
空き家の問題は、建物の敷地内だけで完結するとは限りません。
たとえば、
- 屋根材や外壁が隣地へ落下する
- 雑草や樹木が隣地や道路へ伸びる
- 害虫や害獣が発生する
- ごみの放置などによって悪臭が発生する
- 壊れた窓などから不審者が侵入する
といった問題が発生することがあります。
空き家を原因として第三者に損害を与えれば、所有者が責任を問われる可能性もあるため注意が必要です。
建物の活用が難しくなる
空き家は、放置期間が長くなるほど建物の劣化が進む傾向があります。
早い段階であれば修繕して売却・賃貸できた住宅でも、劣化が進めば大規模な改修が必要になったり、建物を残した状態では活用しにくくなったりする可能性があります。
「いつか考えよう」と判断を先送りすることで、将来の選択肢が少なくなってしまうこともあります。
不良空き家になったら必ず解体しなければならない?
不良空き家に該当するからといって、すべてのケースで直ちに解体しなければならないわけではありません。
大切なのは、建物の状態と今後の利用予定を確認することです。
たとえば、
- 修繕して再び利用できるか
- 中古住宅として売却できるか
- 賃貸住宅として活用できるか
- 建物を残して安全に管理できるか
- 解体して土地を活用したほうがよいか
などを検討します。
ただし、建物の劣化が著しく、修繕に多額の費用が必要となる場合や、今後使用する予定がない場合には、解体も有力な選択肢となります。
解体するかどうかを判断するときには、建物だけを見るのではなく、「解体後の土地をどうするのか」まで考えておくことが重要です。
富士宮市では不良空き家の解体に補助金を利用できる可能性がある
富士宮市では、空き家を除却して跡地の活用を進める方を対象に「富士宮市空家等除却工事費補助金」を設けています。
2026年9月時点では、市内にあり、おおむね1年以上居住その他の使用がされていない建築物のうち、一定の要件を満たすものが対象です。
対象となる空き家の一つが「不良空家」です。
富士宮市では、
「住宅の不良度の外観測定基準」の評点が100点以上で、周囲に悪影響を及ぼす空き家
を補助制度における不良空家としています。
補助額は最大50万円
富士宮市の制度では、対象となる除却工事費の5分の4、最大50万円まで補助を受けられる可能性があります。
ただし、補助対象となる金額には建物の面積や構造に応じた限度があります。
また、空き家の除却と、それに伴う廃材などの撤去・処分にかかる費用が対象となりますが、家財道具などの撤去・運搬・処分費用は対象外です。
解体する前の申請が必要
ここで特に注意したいのが申請のタイミングです。
富士宮市の補助金を利用するためには、解体工事を行う前に事前確認の申請が必要です。
「不良空き家だと思うから先に解体して、後から補助金を申請する」ということはできません。
補助制度を利用したい場合は、解体工事を契約・着工する前の段階で富士宮市へ相談し、対象になるか確認しましょう。
また、補助制度の内容や要件は変更される可能性があるため、実際に利用する際には富士宮市の最新情報を確認してください。
「うちも不良空き家かも」と思ったときに確認したいこと
相続した実家などを長期間使用しておらず、建物の傷みが気になっている場合は、まず現在の状態を確認しましょう。
1.建物の状態を確認する
まずは、
- 屋根が大きく傷んでいないか
- 外壁が剥がれていないか
- 建物に傾きがないか
- 雨漏りしていないか
- 柱や床などが腐食していないか
- 建材が落下・飛散する危険がないか
などを確認します。
ただし、老朽化した建物の内部へ不用意に入ることは危険です。
床の抜け落ちや天井材の落下などのおそれがある場合は、無理に自分で確認せず専門家へ相談しましょう。
2.今後その建物を使用するか考える
建物を確認したら、今後の利用予定を整理します。
自分や家族が住む予定があるのか、売却・賃貸したいのか、それとも今後使用する予定がないのかによって選択肢は変わります。
相続した実家の場合は、所有者一人だけで決められないこともあります。
共有名義になっている場合などは、早めに家族やほかの権利者と今後の方針を話し合っておきましょう。
3.解体する場合は補助制度を先に確認する
建物の状態から解体を検討する場合は、見積もりや工事を進める前に自治体の補助制度を確認することをおすすめします。
補助制度によっては、着工後の申請では対象にならないためです。
富士宮市の場合も、空家等除却工事費補助金を利用するには事前確認が必要です。
「補助対象になるか分からない」という段階でも、まず市の窓口へ確認してみましょう。
解体するなら「その後の土地」まで考えよう
不良空き家を解体するときに忘れてはいけないのが、解体後の土地です。
建物を撤去した後には、
- 更地として売却する
- 新しい住宅を建てる
- 駐車場などとして活用する
- 家族が所有して管理する
などの選択肢があります。
どの方法が適しているかは、土地の立地や形状、接道状況、法令上の制限、家族の意向などによって異なります。
そのため、「古い建物だから、とりあえず壊そう」と解体だけを先に決めるのではなく、その後の土地利用まで含めて検討することが大切です。
まとめ|不良空き家は放置せず、早めに今後の方針を考えよう
不良空き家とは、建物の構造や設備などの劣化・破損が進み、一定の基準で住宅としての不良度が高いと判断される住宅です。
富士宮市の空家等除却工事費補助金では、「住宅の不良度の外観測定基準」の評点が100点以上で、周囲に悪影響を及ぼす空き家を「不良空家」としています。
不良空き家と特定空き家は同じものではありません。
しかし、老朽化した空き家を長期間放置すれば、建物の状態がさらに悪化し、周辺にも影響を与える可能性があります。
大切なのは、「不良空き家に該当するかどうか」だけではなく、その建物と土地をこれからどうするのかを早めに考えることです。
富士宮市をはじめ静岡県東部で、「相続した実家がかなり傷んでいる」「不良空き家に該当するのか分からない」「補助金を利用して解体できるか知りたい」という場合は、ファイブ解体へご相談ください。
ファイブ解体は、総合建設業の明徳建設株式会社をグループに持つ株式会社ファイブワンが運営しています。
解体して終わりではなく、建替えや売却、土地活用など、解体後のことまで見据えてご相談いただけることが私たちの特徴です。
「まだ解体するか決めていない」という段階でも構いません。
まずは建物の状態や今後の土地利用について整理し、ご家族に合った方法を考えていきましょう。

