建物滅失登記とは?解体後いつまでに行う?手続きの流れを解説
建物を解体した後に必要となる「建物滅失登記」とは何かを解説。申請期限はいつまでか、誰が手続きするのか、必要書類、自分で申請する方法、土地家屋調査士へ依頼する場合まで分かりやすく紹介します。
家を解体した後、
「建物がなくなったのだから、登記も自動的になくなるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、登記されている建物を取り壊しても、登記記録が自動的に削除されるわけではありません。
建物がなくなったことを登記記録へ反映させるために行うのが、建物滅失登記です。
不動産登記法では、建物が滅失した場合、原則として滅失した日から1か月以内に申請することが定められています。
この記事では、建物滅失登記とは何か、申請期限、必要書類、申請方法、解体工事から登記までの流れを解説します。
建物滅失登記とは?

建物滅失登記とは、登記されている建物が取り壊しなどによって存在しなくなったことを、登記記録へ反映させる手続きです。
法務局では、建物を取り壊した場合に「建物の滅失の登記」が必要になると案内しています。
例えば、
- 古い住宅を解体した
- 空き家を取り壊した
- 建替えのため既存住宅を撤去した
- 倉庫や店舗を解体した
といった場合が該当します。
現地から建物がなくなっても、登記記録上では建物が残っている状態になるため、滅失登記によって現況と登記を一致させます。
建物滅失登記は解体後いつまでに行う?
建物滅失登記は、建物が滅失した日から1か月以内に申請する必要があります。
不動産登記法第57条では、表題部所有者または所有権の登記名義人に対して、建物が滅失した日から1か月以内の申請を求めています。
一般的な解体工事であれば、実際に建物を取り壊した日を基準として考えます。
法務局が公開している申請書の記載例でも、「登記原因及びその日付」の欄には、建物滅失証明書に記載された取壊しの日を記入する案内になっています。
「工事契約日から1か月」ではない
注意したいのは、1か月の起算点です。
解体業者と契約した日や工事を始めた日ではなく、建物が滅失した日が基準になります。
工事完了後は、後回しにせず必要書類を受け取り、早めに申請準備を始めるとよいでしょう。
建物滅失登記をしないとどうなる?
建物滅失登記には申請義務があります。
不動産登記法第164条では、第57条などに基づく申請義務を正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料に処する規定があります。
ただし、
「1か月を過ぎたら必ず10万円を支払う」
という意味ではありません。
法律上、期限内に申請する義務と過料の規定が設けられていると理解しておきましょう。
また、登記記録上に存在しない建物が残っていると、将来その土地を売却したり、建替えを進めたりする際に確認や手続きが必要になる場合があります。
解体工事と滅失登記は、別々の手続きとして考えることが大切です。
建物滅失登記は誰が申請する?
原則として申請するのは、
登記記録上の表題部所有者または所有権の登記名義人
です。
つまり、基本的には建物の所有者が申請します。
解体工事を施工した業者が、そのまま所有者の代わりに登記申請を行うわけではありません。
専門家へ代理申請を依頼する場合は、建物の表示に関する登記を扱う土地家屋調査士が該当します。法務局も、建物の表題登記など不動産の表示に関する登記について、土地家屋調査士へ依頼できると案内しています。
建物滅失登記の流れ
一般的な流れを整理すると、次のようになります。
| 段階 | 内容 |
| 1 | 建物を解体する |
| 2 | 解体業者から必要書類を受け取る |
| 3 | 登記記録を確認する |
| 4 | 建物滅失登記申請書を作成する |
| 5 | 管轄法務局へ申請する |
| 6 | 法務局による審査・必要に応じた確認 |
| 7 | 滅失登記が完了する |
それぞれ見ていきましょう。
1.解体工事を完了する

建物を取り壊し、滅失した状態になったら登記申請の対象となります。
ここで解体業者に、
「滅失登記に必要な書類を発行してもらえるか」
を確認しておくと、その後が進めやすくなります。
できれば工事完了後ではなく、契約時や着工前に確認しておきましょう。
2.解体業者から建物滅失証明書を受け取る
法務局の建物滅失登記の申請書例では、添付情報として建物滅失証明書が示されています。
建物滅失証明書は、解体工事を行った工事請負人が、建物を取り壊した事実を証明する書類です。
工事請負人が法人の場合、申請書への会社法人等番号の記載などにより、資格を証する書面の添付を省略できる場合があります。必要書類は申請内容によって異なる可能性があるため、法務局の最新様式を確認してください。
3.登記情報を確認する
申請書には、
- 所在
- 家屋番号
- 種類
- 構造
- 床面積
- 所有者
など、登記記録に基づく情報を記載します。
現在の登記事項証明書などを確認し、申請対象となる建物を特定しましょう。
登記事項証明書はオンラインで交付請求することもできます。
4.登記申請書を作成する

法務局は「建物滅失」の登記申請書様式と記載例を公開しています。
主な記載内容は、
- 登記の目的
- 申請日
- 申請先法務局
- 申請人
- 建物の所在
- 家屋番号
- 種類
- 構造
- 床面積
- 登記原因とその日付
などです。
記載する建物情報は、原則として現在の登記記録に合わせます。
5.管轄する法務局へ申請する
申請先は、対象建物の所在地を管轄する法務局です。
書面申請に加え、一定の条件を満たせばオンライン申請もできます。
法務省の登記・供託オンライン申請システムでは、建物滅失登記についてWebブラウザからの申請に対応しています。
個人所有者向けには、マイナンバーカードを使ったオンライン申請方法も案内されています。
関連記事:富士宮市の解体業者の選び方|見積もり前に確認したい7項目
建物滅失登記に必要な書類
一般的には、次のような書類・情報を準備します。
| 書類・情報 | 用途 |
| 建物滅失登記申請書 | 滅失登記を申請する |
| 建物滅失証明書 | 建物を取り壊した事実を証明する |
| 建物の登記情報 | 所在・家屋番号・構造などを確認する |
| 工事請負人に関する情報 | 滅失証明書の証明者確認などに使用 |
| その他必要書類 | 所有者住所が登記と異なる場合など |
法務局の記載例では、登記上の所有者住所と現在の住所が一致しない場合、住所移転の経過を確認できる住民票の写しや戸籍の附票の写しなどが必要になる場合があると説明されています。
案件によって必要書類が変わる可能性があるため、不明な場合は管轄法務局へ事前に確認するとよいでしょう。
建物滅失登記は自分でできる?
建物滅失登記は、必ず専門家へ依頼しなければならない手続きではありません。
所有者本人が書類を作成し、自分で申請することもできます。
現在は、
- 法務局窓口への書面申請
- オンライン申請
といった方法があります。
登記情報と現況が一致し、必要書類が揃っている比較的単純なケースなら、自分で申請する選択肢もあります。
一方、
- 登記されている建物が現況と一致しない
- 所有者が亡くなっている
- 所有者住所が現在と違う
- 複数の建物が登記されている
- どの建物を滅失するのか判断しにくい
といった場合は、事前に法務局や土地家屋調査士へ相談した方が整理しやすいことがあります。
土地家屋調査士へ依頼する場合
建物滅失登記の代理を専門家へ依頼する場合は、土地家屋調査士が一般的です。
土地家屋調査士は、
- 建物表題登記
- 建物滅失登記
- 土地の分筆
- 地目変更
など、不動産の「表示」に関する登記を扱う専門家です。
依頼すれば、必要書類の確認や申請手続きを進めてもらえます。
ただし、専門家へ依頼する場合の報酬は案件によって異なります。
「滅失登記はいくら」と全国一律で決まっているものではないため、依頼前に費用を確認しましょう。
建物滅失登記そのものに登録免許税はかかる?
建物滅失登記そのものについては、登録免許税は必要ありません。
国土交通省の資料でも、建物滅失登記について登録免許税は不要とされています。
ただし、
- 登記事項証明書の取得
- 郵送
- 土地家屋調査士への依頼
などを行えば、別途費用が発生することがあります。
「自分で申請する場合」と「専門家へ任せる場合」で必要な費用を分けて考えましょう。
富士市・富士宮市の申請先
富士市・富士宮市にある不動産の登記を管轄しているのは、静岡地方法務局 富士支局です。
2026年1月16日更新の静岡地方法務局の管轄一覧では、富士支局の不動産登記管轄区域として、
富士市・富士宮市
が明記されています。
富士支局は不動産登記申請を取り扱っています。
静岡地方法務局 富士支局
所在地:静岡県富士市中央町二丁目7番7号
富士法務総合庁舎
富士支局では、不動産の表示登記に関する問い合わせ先も案内されています。
なお、富士宮市役所内には富士宮法務局証明サービスセンターがありますが、富士支局の案内では「証明書交付のみ」とされています。
滅失登記の申請先を間違えないよう注意しましょう。
解体前に登記名義も確認しておく
滅失登記をスムーズに進めるためには、解体工事を始める前に建物の登記情報も確認しておくことをおすすめします。
特に相続した実家や長期間空き家だった建物では、
- 登記名義が亡くなった親や祖父母のまま
- 登記上の住所が昔の住所
- 増築部分が登記されていない
- 敷地内に複数の建物が登記されている
といったことがあります。
解体が終わってから初めて登記情報を確認すると、申請準備に時間がかかる場合があります。
解体前に登記事項証明書などで建物を確認する
という一手間を加えておくと、その後の手続きを整理しやすくなります。
関連記事:富士宮市で解体工事の見積もり前に準備したい7つのこと
解体工事から滅失登記まで見据えて準備する
建物を解体するときは、
「建物を壊して更地にする」
ところだけを考えがちです。
しかし、その後には、
- 建物滅失登記
- 建替え
- 土地売却
- 土地活用
などの手続きや計画が続く場合があります。
そのため、解体を依頼するときから、
「解体後は何をする予定なのか」
まで整理しておくことが大切です。
ファイブ解体を運営する株式会社ファイブワンは、総合建設業「明徳建設株式会社」のグループ企業です。
ファイブ解体では、建物を壊すことだけをゴールとせず、その後の建替えや土地活用なども含めて考えることを大切にしています。
建物滅失登記そのものは所有者が行う手続きですが、解体業者から受け取る書類が必要になるため、工事前に確認しておくとスムーズです。
関連記事:富士市の解体見積もりはどう比較する?見積書の見方を解説
まとめ
建物滅失登記は、建物を解体した後に、その建物が存在しなくなったことを登記記録へ反映する手続きです。
重要なポイントは、解体したら登記が自動的に消えるわけではないことです。
不動産登記法では、原則として建物が滅失した日から1か月以内に申請することが定められています。
解体後は、
- 解体業者から建物滅失証明書などを受け取る
- 登記内容を確認する
- 申請書を作成する
- 管轄法務局へ申請する
という流れで進めます。
富士市・富士宮市の不動産については、静岡地方法務局 富士支局が不動産登記を管轄しています。
解体工事を検討する段階から、その後の登記や土地の利用方法まで整理しておくと、次の手続きを進めやすくなります。
建物の解体後には、滅失登記をはじめ、建替えや土地売却、土地活用など次の手続きが続くことがあります。
「まず建物だけ壊してから考える」のではなく、解体後に土地をどうしたいのかまで整理しておくと、撤去範囲や工事計画も考えやすくなります。
富士市・富士宮市周辺で、
「解体後は建替えを考えている」
「相続した実家を解体した後、土地をどうするか迷っている」
「解体からその後までまとめて整理したい」
という場合は、ファイブ解体へご相談ください。
解体そのものだけを前提にせず、その後の計画も含めて一緒に整理します。


